よくある質問

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リウマチ診断

30代の女性ですが、関節リウマチになりますか?
関節リウマチはお年寄りの病気と勘違いされている方がおられますが、決してそうではありません。女性に多くみられる、仕事盛りの年代(40歳前後)におこる病気です。
ただし、最近は高齢化や治療法の進歩により、比較的高齢の方も増えております。
朝のこわばりってどんな症状ですか?
朝起きてしばらくは関節が思うように動かないことです。
朝のこわばりがひどく、早朝の家事や仕事がつらいことがあります。
リウマトイド因子が陽性と言われました。 私は関節リウマチでしょうか?
リウマトイド因子は、関節リウマチ以外の膠原病、慢性感染症、肝臓病、加齢などでも陽性になるため判断は慎重にされるべきです。
最近、抗CCP抗体と呼ばれるものが測定できるようになり、まだ研究の余地はありますが、リウマトイド因子よりは関節リウマチに特化した検査とされております。
もし、この抗CCP抗体価が高い場合は、3年以内に関節リウマチになってくる可能性も高くなりますのでリウマトイド因子とあわせてお調べいただくと良いかもしれません。 ただし、関節リウマチは、さまざまな所見を総合的に判断したうえで診断される病気ですので、リウマトイド因子や抗CCP抗体が陽性のみで診断されるということはありませんのでご注意ください。

リウマチと診断されたら

関節リウマチと診断されたら、治療はいつごろから開始した方がよいのですか?
関節リウマチの勢いを厳格にコントロールしないと関節破壊が進行し関節が使えなくなってしまいます。ちょうど関節リウマチは火事に例えるとわかりやすいと思います。火事ならば、見守ることはしません。まずくすぶっている程度で あれば消火も比較的簡単で、消火できたとすると少し煤がつく程度で大事には至りません。
これに対して全焼となると取り返しのつかない結果となります。
関節リウマチについても同じことが言え、発症してから少なくとも半年以内までに厳密な管理のもと治療を開始することが大切です。
遅くても2年以内までには治療を開始することが望ましいと考えられます。
関節リウマチと診断されたのですが、子供に遺伝しますか?
確実に遺伝するわけではありません。
ある家系調査では、関節リウマチと診断された方の三親等以内で、関節リウマチと診断される割合は3人に1人くらいという報告がありますが、一卵性双生児の検討において関節リウマチと診断された場合は、15~30%の確率でもう一人が関節リウマチと診断されます。二卵性双生児の場合には頻度が少なくなり約7%と言われています。
つまり、関節リウマチそのものが次世代に確実に遺伝し発症してくるわけではなく、関節リウマチになりやすいという遺伝的素因が受け次がれると言われております。
関節リウマチと診断されました。安静にしていた方が良いのでしょうか?
関節リウマチの勢いが強いと、痛みのため体を動かすことが困難となります。適切な治療によりリウマチの勢いを抑え痛みが和らげば、このようなことにはなりにくいのですが、残念ながらすべての方に等しく治療効果がでるわけではありませんので、運動について少しばかりコメントさせていただきます。
リウマチの勢いを安定化させるのに安静は必要ですが、安静ばかりを保ち関節を動かさずにいると、筋力が衰え関節も硬くなり日常生活に支障をきたす可能性があります。
だからといって痛みを我慢してまで運動をすると、かえって関節を痛めてしまいます。
痛みの程度に合わせて、とくに入浴後など体が十分温まり痛みが和らいでいる時にリウマチ体操(主治医に方法をお聞きください)など負担の少ない運動を行ってください。

食事・運動・飲酒・喫煙

関節リウマチに影響を与える食品はありますか?
食事が直接影響して関節リウマチを悪化させることはありません。
もし、関節リウマチの治療薬としてメトトレキサー トを服用されている方は、マルチビタミン剤などに含まれている葉酸を多く取りすぎてしまうと薬の効力が弱まり関節リウマチの勢いが出てしまうことがありますのでご注意ください。
なお、関節リウマチの勢いが強いときには栄養が十分いきわたらないため体重が減ってしまうので、栄養バランスのとれた食事をとり体力をつけることが大切です。
運動をした方がよいのですか?
関節リウマチの勢いが強いと、痛みのため体を動かすことが困難となります。
適切な治療によりリウマチの勢いを抑え痛みが和らげば、このようなことにはなりにくいのですが、残念ながらすべての方に等しく治療効果がでるわけではありませんので、運動について少しばかりコメントさせていただきます。
リウマチの勢いを安定化させるのに安静は必要ですが、安静ばかりを保ち関節を動かさずにいると、筋力が衰え関節も硬くなり日常生活に支障をきたす可能性があります。だからといって痛みを我慢してまで運動をすると、かえって関節を痛めてしまいます。
痛みの程度に合わせて、とくに入浴後など体が十分温まり痛みが和らいでいる時にリウマチ体操(主治医に方法をお聞きください)など負担の少ない運動を行ってください。
お酒は飲んでよいのでしょうか?
アルコールを摂取されると、皆様ご存知のように血流が良くなる結果、炎症が悪化します。つまり、腫れて痛む関節が余計に腫れてしまう可能性があります。
過度の飲酒は控えた方が望ましいです。
一般的に関節リウマチの治療は、メト トレキサートという薬が使われることが多いため、飲酒をすることで副作用としての肝機能障害がおこりやすくなるため、飲酒は注意が必要です。
たばこは吸っても大丈夫でしょうか?
関節リウマチの原因は、いろいろと研究されておりますがまだ原因は不明とされている難病です。
しかし、この研究過程において、特殊な遺伝子をもった方が喫煙をすることで関節リウマチが発症することがわかってきました。
喫煙は末梢の血流も悪くするため、絶対するべきではありません。 関節リウマチ以外の病気でも喫煙に関しては因果関係が指摘されておりますし、是非おやめください。

生理・妊娠・授乳

アバタセプト(オレンシア®︎)の治療を受けておりますが、その後、生理が不順になりました。何か関係があるのでしょうか?
今の所、そのような報告はございません。
関節リウマチの場合、女性は妊娠しにくいのでしょうか?
関節リウマチの治療が効き、勢いが抑えられていれば不妊症で悩む方の割合はかなり少なくなります(Nat Rev Rheumatol. 2014;10:518-519)。妊娠を諦める必要はありません。
関節リウマチの勢いが抑えられていない(高疾患活動性)場合、妊娠まで1年以上かかっている方の割合が約70%です。勢いが抑えられている(寛解)場合は、妊娠まで1年以上かかる割合は30%という報告があります(Ann Rheum Dis 2015;74(10):1836-41)。
様々な要素が関係するので、一般的に関節リウマチの方が出産される数は、そうでない方に比べると少ないという傾向はあります。
関節リウマチ合併妊娠で知っておくべきことは、ありますか?
関節リウマチ合併妊娠の場合、妊娠20週以降に高血圧とタンパク尿がでる(妊娠高血圧腎症)、妊娠の週数に比べて赤ちゃんが小さい(在胎不当過小)、早産となる危険度が一般に比べ多いため産科との連携を密にする必要性があります(Rheum Dis Clin North Am 2017;43(2):227-37)。
妊娠をしたら大学病院のようなところの産科に通う方が、良いでしょうか?
大学病院のような医療施設の方が無難ではあります。関節リウマチの勢いが、よく抑えられている場合であれば近くの産科でも良いです。ステロイド薬を服用していたり、生物学的製剤の治療を受けていても関節リウマチの勢いが強い場合は、胎児発育不全や早産の危険性が増すため、大学病院のような医療施設に通われる方が良いです。
妊娠初期に関節リウマチのためステロイド薬を服用していたのですが、注意すべきことはありますか?
ステロイド剤としてよく処方されるプレドニゾロンは、胎盤通過性が低いため命にかかわる催奇形性の報告はないのですが、多少、口唇口蓋裂の危険度が増します。通常でも、口唇口蓋裂は500人のうち1人の割合で起こり得ますが、妊娠初期にプレドニゾロンを服用されていると500人のうち3人と3倍ほど危険度が増します。
長い間、鎮痛薬として非ステロイド性抗炎症薬を服用していますが、妊娠のしにくさと関係しますか?
非ステロイド性抗炎症薬は、排卵と着床に影響を与えるため妊娠のしにくさと関係します。
長い間、ステロイド薬を服用しているのですが、妊娠のしにくさと関係しますか?
1日7.5mg以上のステロイド薬を服用されている場合、視床下部、下垂体、卵巣へ影響を与えるため妊娠のしにくさと関係します (Rheum Dis Clin North Am 2017;43(2):227-37) 。
授乳中ですが、関節リウマチの勢いが強いため治療薬は、どうしたら良いでしょうか?
授乳中のリウマチ治療薬については、母乳はかなり大切であり、なるべく続けたいものです。
母乳は、赤ちゃんの成長に、とても大切なものです。なるべく中止せずに必要な時期まで続けたいと考えます。メトトレキサートやレフルノミドでないと関節リウマチの勢いを抑えることができない場合は、断乳せざるを得ないのですが、そうでなければ個々に判断し治療薬を選択します。
関節リウマチの勢いが強い場合、メトトレキサートを服用せずとも効果の発揮できる生物学的製剤を選ぶことがありますが、授乳に関しての報告が少なく安全性を絶対保証するとまでは言い切れないことは、ご了承ください。
授乳の際、どの薬剤ならば使用が可能でしょうか?
乳汁中の薬剤移行性と安全性については、報告数が十分とは言えないのですが、乳汁への移行量は少なく生物学的製剤も赤ちゃんにはほとんど吸収されないとされております。メトトレキサートやレフルノミドは禁忌です。
サラゾスルファピリジンを1日2g以上服用されている場合は、赤ちゃんが血性下痢を起こすという報告がありますが、関節リウマチでは1gが通常量のため注意して服用となります。
授乳中のリウマチ治療はどうしたらよいのですか?
授乳中のリウマチ治療薬については、母乳はかなり大切であり、リウマチ治療を優先しなければならないほどリウマチの勢いが強いかどうかで治療薬を決めるということになります。 リウマチ治療を優先しなければならないときには断乳し、しかるべきリウマチ治療薬を選択することになります。
断乳がどうしても困難な場合は、エタネルセプト(エンブレル®)は比較的安全かもしれません。しかしながら安全性を保証しうる確実な根拠に乏しいともガイドライン上はされておりますので、個々に判断していかなければなりません。

生物学的製剤

生物学的製剤による治療は、ずっと続けなければなりませんか?
生物学的製剤の中でもインフリキシマブ(レミケード®︎)については発症2年以内の早期から使用を開始し、
薬がよく効いた方は、1年程度のインフリキシマブ(レミケード®︎)による治療の後に、治療を中止しても良い状態が維持できたという方もいます。
生物学的製剤の一つであるエタネルセプト(エンブレル®︎)でも36週の治療の後に減量したり休薬できる可能性が示されております。個人の病状や経済的背景があるので主治医と相談して治療を続けていく必要性があるかを検討することをお勧めします。
生物学的製剤の効果が出たら、ステロイド薬や抗リウマチ薬は止められますか?
止められます。特に、鎮痛薬(非ステロイド系抗炎症薬)は、減量したりあるいは中止できる方が多くいます。また、ステロイド薬も減量できます。様子をみながら徐々に減らしていき、いずれは中止できることもあります。
また、TNF阻害剤とT細胞阻害薬(オレンシア®)は抗リウマチ薬、とくにメトトレキサートと併用した場合に最も良い効果が得られる薬なので、他の薬の服用をすべて止めてしまったとしても、抗リウマチ薬とTNF阻害剤、T細胞阻害薬による治療だけは継続したほうが良いでしょう。
アクテムラ®に関しては、他の抗リウマチ薬と併用をしなくとも十分な効果が期待できるので、この場合もステロイド薬と同様に様子を見ながら抗リウマチ薬の減量・中止が可能となります。
生物学的製剤治療を受けているときのワクチン接種の注意点について教えてください。
日本リウマチ学会のガイドラインには、いずれの薬剤でもインフルエンザワクチンは可能な限り接種すべきであり、肺炎球菌ワクチンも考慮すべきとされております。
関節置換術を受けていても、生物学的製剤を使うことはできますか?
使うことはできます。
生物学的製剤の投与中に手術が行われることがあります。
術後の投与の再開は、傷がほぼ完治し、感染症などを起こしていないことを確認するなど、術後経過を見ながら主治医と相談して決めていきます。
レミケード®
 --- 最終投与より4週間の間隔後に行うことが推奨されています。
エンブレル®
 --- 最終投与より2~4週間の間隔後に行うことが推奨されています。
ヒュミラ®
 --- 最終投与より2~4週間の間隔後に行うことが推奨されています。
アクテムラ®
 --- 最終投与からの間隔に関しては、一定の見解がまだ得られていません。
オレンシア®
 --- 最終投与より10日以上の間隔を空けて行うことが推奨されています。

他の治療・服用

オレンシア治療を受けておりますが、インフルエンザワクチンを受けても大丈夫でしょうか?
インフルエンザワクチンとオレンシア治療を同時に行うことで免疫に関して影響がでることはございません。
ただし、副作用が出た場合には、どちらが原因かがわからなくなるためオレンシア治療を受けられる前にインフルエンザワクチンを受けた方が望ましいです。
メトトレキサートを内服しておりますが、葉酸を服用するようにと言われました。必要なのですか?
週8mg以上を服用された場合には、内服を勧める場合がございます。葉酸の服用によって、嘔気、嘔吐、胃腸の痛みなど胃腸のトラブルや肝機能障害を守ってくれるためです。
エンブレル®やヒュミラ®の自己注射はどんな人でもできるのですか?
自己注射ができるのは、以下の条件をすべて満たした方です。
●通院で既に1ヶ月以上の効果が確認されており、治療継続に支障がないこと。
●自身が自己注射を望んでいること。
●ご本人あるいはご家族が自己注射に関する指導を十分に受け、自己注射が安全かつ正しく行えると主治医が判断すること。
●自己注射で注意すべき点を正しく理解し、「自己注射移行の同意書」に署名すること。
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