膠原病は、外から侵入してくる病原菌などを排除する役割の免疫機構が誤って自分自身を攻撃してしまう病気です。対称的な関節破壊により10年後には約半数が寝たきりになってしまう関節リウマチも、これに含まれます。
対称的な関節破壊により10年後には約半数が寝たきりになってしまう
頬の周りに蝶が羽を広げたような紅斑に加え、発熱、全身倦怠感そして多彩な臓器が障害される
手先が冷え色が変わり皮膚も指でつまめなくなるほど硬くなり、肺、食道そして血管に線維化がおこる
「太ももが持ち上げにくくて階段が昇れない」、「手が疲れて髪がとかせない」など筋肉が冒される
多発性筋炎の症状に加え目の周りに紫色の皮疹と手などに盛り上がりのある皮疹がでる
目と口が乾燥する
多発性筋炎の症状がそれぞれ合併する
関節リウマチに血管の炎症を伴い多彩な症状を呈する
障害される血管の大きさにより多彩な症状を呈する
平熱と高熱が繰り返され高熱になる直前から出現し解熱すると消えてしまうサーモンピンク色の皮疹を特徴とする
高齢者に発病する比較的短期間のうちに肩や腰の周囲に痛みが出現し、発熱、体重減少などを伴う
まれに甲状腺機能亢進症(Basedow病、バセド氏病)の方で四肢の末端が肥大し、太鼓ばちのようになることがあります。これを骨関節症と言います。
レントゲン撮影をすると指尖の軟部組織が厚く、指の骨幹の骨皮質の肥厚(骨膜下骨新生像)が認められます。
骨病理学的変化として説明すれば、骨膜部線維化、骨膜下骨新生となりますが、骨の再構成に関係する線維芽細胞、骨芽細胞、そして破骨細胞というものが甲状腺刺激ホルモンに対しても反応するため(甲状腺刺激ホルモン受容体の発現)、骨関節症が起こりえます。
高血糖などの代謝異常により生じるものです。
症状は、背部痛とこわばり。多くは胸椎に見られます。ただし、他の頸椎や腰椎にも発生します。椎体前外側面に骨増殖が広がります。
糖尿病の罹病期間が長く、糖尿病性腎症や糖尿病性網膜症など合併症を有する進行した方に認められることが多いです。
好発部位は、足関節、足根骨間関節、中足趾節関節です。 膝関節にもおこりえますが、上肢の関節には少ないのが特徴です。
糖尿病の方の多くて6人に1人くらいに認められ、それも両側におこります。
病理学的所見は、糖尿病細小血管障害を示唆する血管変化と線維芽細胞増殖です。
糖尿病の方5人のうち1〜3人くらいに認められ、手掌腱膜の線維化による帯状肥厚のため屈曲拘縮をおこす。
中指、環指、小指に生じることが多く、痛みと運動制限を伴います。
糖尿病の罹病期間が長く、細小血管障害を有する方に多くみられるものです。
手の皮膚が厚く硬くなり、こわばり、手指の運動障害がみられます。
中手指節関節(MCP関節)と近位指節間関節の伸展屈曲制限がみられるため、両手の指と手掌を完全に合わせることができなくなります。
EBウイルス、HIV、ムンプス、A型肝炎ウイルス、コクサッキーウイルス、エコーウイルス、アデノウイルス、水痘-帯状疱疹ウイルス、単純ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス など。
これらの感染後に関節が痛くなることがあり、鑑別が必要となることがあります。
関節液とは、滑膜により作られ関節の滑らかな動きを助けております。
通常でも、数mLはありますが、関節に強い炎症がおこると過剰に溜まるようになります。
過剰に溜まると、滑膜が圧迫され、さらに炎症をひきおこし悪化するため関節液を抜く治療を行うことがあります。この抜いた関節液を用いて、さまざまな原因を調べることが可能です。
正常 | 非炎症性 | 炎症性 | 感染性 | |
---|---|---|---|---|
外観 | 透明、明瞭 | 透明、黄色 | 不透明か半透明、 黄色 |
不透明、黄色か緑色 |
粘稠度 | 高い | 高い | 低い | 様々 |
白血球数 (μL/mm3) |
< 200 | < 200 | 5,000~75,000 | >50,000 しばしば > 100,000 |
多形核白血球 | < 25% | < 25% | > 50% | > 75% |
培養 | 陰性 | 陰性 | 陰性 | しばしば陽性 |
ブドウ糖 (mg/dL) |
血液に近似 | 血液に近似 | 血液より低い | 血液より著しく低い |
関連疾患 | 変形性関節症 外傷 神経病性関節症 肺性肥大性骨関節症 色素性絨毛結節性滑膜炎 全身性エリテマトーデス リウマチ熱 |
関節リウマチ 結合組織病 (全身性エリテマトーデス 進行性全身性硬化症 皮膚筋炎 多発性筋炎) 強直性脊椎炎 乾癬性関節炎 Reiter症候群 慢性炎症性腸疾患に伴う関節炎 結晶性関節炎 (痛風または偽痛風) 結節性紅斑 |
細菌感染 免疫不全 (疾患あるいは薬剤関連性) |
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